その日はテスト明けの土曜日で娘は隣町のお祭りへと出掛けていきました。
帰宅の時間を過ぎても帰ってこないので娘のスマホへ電話すると「まだみんな帰らないからもう少し延長して」と交渉され、三十分延長を許しました。
そしてそろそろ帰るであろう時間帯にGPSで娘の位置情報を確認すると、自宅から3分程の公園まで帰って来ているのがわかりました。
それからしばらくしても帰ってこないので、再度GPSを確認するとまだ公園にいてる。
娘のスマホへかけてもコールはするものの、出ず
4.5回目位でやっとつながった。
私「どうして〇〇公園にいるの?早く帰ってきなさい」
娘「まだ帰れない」
私「なんで?」
娘「…」
私「誰かと一緒なの?」
娘「言えない」
と言って電話が切れました。
私は胸騒ぎがして迎えに行く準備をし、家のドアを開けると娘が帰ってきました。
一瞬にして娘の異変に気付きました。
青白い顔をして小刻みに震えていました。
私「誰と一緒にいたの?」
娘「言えない」
娘の目には涙が溜まって今にも溢れ落ちそうでした。
「言えないじゃないでしょ!言いなさい!何があったの!!」
私は声を荒げました。とても冷静ではいられませんでした。私の怒鳴り声が聞こえたようで夫が自室から降りてきました。
「いったいどうした?」
娘はついに「言えない!言えない!言えない!」と泣き叫びパニックをおこしました。
とりあえず、夫に席を外してもらい
冷静を装いながら娘に聞き取りをしました。
娘は絶対誰にも言わないで、と何度も言い何があったのか話しはじめました。
お祭りからの帰り道公園の前を通ると
Sと小学生からの同級生Mがいた。娘に気付いたMが「ハナや!」と言った。
Sが「ハナ!こっち来い」と声をかけた。
ああ、またSだ。私は動悸が激しくなりました。冷静を装っていましたが声はうわずっていたと思います。この先を聞きたくない…でも、聞かなきゃいけない。振り絞るように「それから?」と聞きました。
公園内にある倉庫のところまで連れていかれた。
そしてSから
「ここで服を脱いで胸を見せるか触らせるかどちらか選べ」
と言われた、と。