続き
ボスに聞かれてMは事件当日のことを話しはじめました。
М 「〇〇公園で話していたらハナさんから声を掛けられて、2人の会話に割込んできたことにムカついて、Sが触らせろと言った。
ハナさんが嫌がったから、『じゃ、服を脱げば?』と僕が言った」
ボス 「その時、羽交い締めにした?」
M 「羽交い締めってなんですか?」
そう言えば娘も同じ事を聞いていたな、最近の子は羽交い締めと言う言葉も知らないのか…
後ろから腕を持つことだよ
と、説明すると
М「ハナさんが手を前にして胸をガードしていたのでSが僕に手を持っといてと言って、僕が前からハナさんの手を持ってSが後ろから揉んだ。僕は前から触った」
ボス「時間でいうとどれくらいかな?」
М 「多分9時頃から9時半くらい」
ボス 「三十分程か、触られた時ハナさんはどんな顔した?」
М 「嫌そうな顔してました。」
私はMが正直に話しているのかしっかり見極めてやろうとこの場に出向きましたが、
Mが話し出すと、直視することが出来なかった。Mの顔を見ると感情的になってしまいそうなので目をギュと閉じて話を聞きました。
夫が
「その日にハナにLINEしてるね?削除してたけど、それはなぜ?なんて書いた?」
と尋ねると
М「誰かに言った?って送った」
やはり帰ってから親にバレてないか心配になったようでした。
警察はMと娘の供述は概ね一致していたと言っていましたが所々違う所もありました。事件から既に5ヶ月も経っていたので記憶が曖昧になっている所もあるのでしょう。
Mが嘘をついているのかはよくわかりませんでしたが、Sが主張しているように強要したと感じるところはありませんでした。
夫は後になって「彼は自分のやった事がどれだけ罪深いかわかっとらんな」と言っていました。
確かにMには少し幼さを感じました。
最後にM母が私の目を見ながら「本当にごめんなさい」と言いました。
強張ったその表情は涙を堪えてるようにも見えました。
私は「はい」としか言えませんでした。
私はなぜかM母に同情してしまう。
事件前に娘と仲良くしてくれていたからなのか、S母と比べて相対的に良く見えているだけなのか、わからないけど、M母の立場を思うと胸が締め付けられるような気持ちになります。
しかし、これから違うステージで争う事になるかもしれません。
この気持ちは一旦奥にしまうことにしました。